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「想定賃料」の読み方

前回は、不動産投資における、将来得られる不動産収入の予想額の算出において重要な点について話しました。そのためには家賃・賃料について明確で確実な情報を得ることが重要であり、そのための大事なツールとして、レントロールについて見ていきました。

現況賃料と想定賃料という概念を覚えていますでしょうか。前者は、現状実際に徴収している家賃の金額です。対して、空室に関しては、当然誰も住んでいないのですから、現況賃料の情報は書かれていません。

そこで、「もしこの部屋に入居者があったら見込める家賃の額」として、想定賃料というものが記載されるのです。「もし」ですので、過去の実績の忠実な報告ではありません。想定賃料は、「対象物件内の他の部屋や周囲の条件の類似した物件における賃料を参考に、家賃の推移を想定するもの」と一般的には定義されます。実際にその賃料をシミュレーションして算出した業者やオーナーも、「独自の調査に依拠して」シミレーションしたものです、と述べるでしょう。

これも前回書いたことですが、レントロールは法に定められた義務付きの書類ではなく、形式、フォーマットも一定ではありません。また、想定賃料に関しても、その算出のためのルールというのは、存在していません。ですので、様々な条件や立地、時期などを考慮して得られた数字、といった抽象的な定義しかないのです。現況賃料の93%の額から経年要因の減額として2%を減額し、……ものとする。このような算定の方法を定める規則があれば、売主が算出しても買主が計算しても、同じ数字が得られるでしょう。

つまり、数字に必然性がないというように言えるかもしれません。なるべく物件価値を高いものとして宣伝したい売主側の業者やオーナーが設定する金額ですので、家賃の減額の要因となりうるような問題点については改善されるだろうと見通し、些細な特徴をこれから価値がグングン上がる要因とみなすということが可能なのです。

このように、想定賃料は一筋縄ではいかないものです。今回も想定賃料の捉え方について、細かく見ていきましょう。ただし、定義やルールの曖昧な用語ですので、参考として読むようにしてください。

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